ESG投資の新たな展開:欧州CSRD施行で企業開示が本格化
欧州連合(EU)は企業のサステナビリティ報告に関する新たな指令「CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive)」の施行により、ESG投資の透明性向上に向けた取り組みを強化している。この指令により、対象企業は環境、社会、ガバナンスに関する詳細な情報開示が義務付けられ、投資家はより正確な情報に基づいた投資判断が可能となる。 グローバル企業の多くは、CSRDに対応するためのシステム整備を進めており、2025年から段階的に適用が開始される。特に、大規模な上場企業や金融機関は、サステナビリティに関連する広範なデータの収集と報告が求められる。 投資家の間では、ESG基準を満たす企業への資金流入が加速しており、グリーンボンドや社会債券などのサステナブル金融商品の発行額も増加傾向にある。今回のCSRD施行により、企業のESGパフォーマンスがより明確になることで、責任ある投資がさらに促進されることが期待されている。 また、日本国内でも同様の動きが見られ、金融庁は企業のサステナビリティ情報開示の強化を推進している。国際的な基準との整合性を図りながら、日本独自の開示フレームワークの構築が進められており、グローバルなESG投資の潮流に対応する体制が整いつつある。 専門家は、今後数年間でESG投資が主流となり、企業価値評価において環境・社会的要因がより重要な位置を占めるようになると予測している。投資家は、財務指標だけでなく、企業の持続可能性への取り組みを総合的に評価する必要がある。
記事提供
ESG Investment Weekly
公開日
2025-11-13