グローバル資産運用大手のブラックロックとバンガードは11月6日、AI(人工知能)を活用した次世代ESGデータ分析プラットフォーム「ESG Intelligence Suite」の本格導入を発表した。このプラットフォームにより、従来数週間かかっていたESG評価プロセスが数時間に短縮され、分析精度も大幅に向上する。
ESG Intelligence Suiteは、機械学習とNLP(自然言語処理)技術を組み合わせ、企業の財務報告書、サステナビリティレポート、ニュース記事、SNS情報など、数千の情報源から自動的にESG関連データを抽出・分析する。また、リアルタイムでESGリスクを検知し、投資ポートフォリオへの潜在的影響を評価する機能も備えている。
ブラックロックのラリー・フィンクCEOは、「AI技術により、これまで見逃されていた重要なESG要因を特定できるようになり、より洗練された投資判断が可能になる」とコメント。運用資産総額10兆ドル超の両社がこのプラットフォームを採用することで、ESG投資業界全体のデータ分析手法が大きく変革すると期待されている。アナリストは、この動きが他の資産運用会社にも波及し、AI活用が業界標準になると予測している。
- 記事提供
- Financial Times
- 公開日
- 2025-11-06