生物多様性クレジット市場が本格始動、TNFDフレームワークの採用企業が500社を突破
自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)のフレームワークを採用する企業が世界で500社を超え、生物多様性への投資が新たな局面を迎えている。2025年10月時点で、生物多様性クレジット市場の規模は推定20億ドルに達し、カーボンクレジット市場に次ぐ新たな環境金融商品として急成長している。特に注目されているのは、森林保全、湿地再生、海洋生態系保護などのプロジェクトで、これらは生物多様性の保全と同時にカーボンオフセット効果も期待できる。欧州委員会は2026年から大企業に対してTNFD準拠の開示を義務化する方針を発表しており、アジア太平洋地域でもシンガポールと日本が同様の規制導入を検討している。投資家の間では、生物多様性リスクが今後の企業価値評価における重要な要素になるとの認識が広がっており、ネイチャーポジティブな事業モデルへの転換が加速している。専門家は、2030年までに生物多様性関連投資が年間1,000億ドル規模に達すると予測している。
記事提供
Reuters Sustainable Finance
公開日
2025-10-31